顔料?染料?インクの種類

万年筆のインクは、成分によっておおまかに染料インクと顔料インクに分けられます。

実はもうひとつ、どちらにも分類しにくいブルーブラックというインクもあるのですが、それはひとまず置いておきます。

 

染料インク

万年筆用として売られているインクの多くは染料インクです。

染料インクの一般的な特徴は、

  • 水に溶けます
  • ペン先を傷めにくいです
  • 色が豊富です
  • 日光に弱いです

     

等々…

まず、水に溶けるということ。

これのおかげで、仮にインクが詰まってしまっても、水やぬるま湯につけて一晩ほど待つと、詰まったインクが溶けて何とかなります。限度はありますが。

扱いやすい性質なのですが、水に溶けるということは、書いた文字も簡単に溶けて(=にじんで)しまいます。水分は厳禁です。

次にペン先を傷めにくいということ。

最初に出てきたブルーブラックと呼ばれるインクの中には、ペン先の金属を腐食させてしまうものもあります。

万年筆のペン先に金を使うのは、装飾ということもありますが、インクによる腐食からペン先を守るためでした。金は腐食に強いので、インクに負けなかったわけです。

染料インクはペン先を腐食させにくいので扱いやすいインクです。

色も豊富です。

染料インクはとにかく色が多いです。選ぶのに迷ってしまうほどです。

例えば、青といっても一色じゃありません。

さまざまな「青系」の色があります。

日光に弱いというのは、染料インクの欠点です。

染料インクで書いた文字は、日光に当て続けると、どんどん色あせていきます。

そのため染料インクで書いた文書は長期保存に向きません。

保管しておいた書類が、ある日見てみたら読めなくなっていた、では困るからです。

まとめると、

扱いやすいけど、重要書類にはむかないインク

ということになります。

顔料インク

次に顔料インクです。

こちらは染料インクの逆の性格、と思っていいでしょう。

つまり、

扱いにくいけど、重要書類にも使えるインク

です。

一般的な特徴は、

  • 水に溶けません
  • ペン先に詰まることがあります
  • 色が非常に少ないです
  • 日光に強いです
  • 線の輪郭がくっきりしています

等々…

だいたい染料インクの反対の性質という感じです。

まず、水に溶けないということ。

顔料インクというのは、簡単に言うと水の中に顔料というすご~く小さな粒が混ざっているものです。

顔料は水に溶けているわけではなく、混ざっているだけです。

インクが乾いたあとは、水をつけてもにじみが少なく、濡れた後でも普通に読めます。

これはいいのですが、水に溶けないというのが時に厄介なのです。

それはインク詰まりを起こしてしまった場合です。

顔料インクを入れた万年筆を、長期間使わずに放置すると、顔料がペン先の微細な溝や隙間にこびりついて詰まることがあります。

こうなってしまうと水やお湯につけてもなかなか溶けてくれません。

下手をすると修理行きになってしまいます。

そういうわけで万年筆に顔料インクを入れたら、長期間放置は厳禁です。

また、顔料インクは、純正品のみ使うことをおすすめします。

万年筆メーカーは、自社の万年筆に合わせたインクを作っています。

ペン先の微細なつくりは、メーカーごとに全然違いますので、自社の万年筆ではよくても、他社の万年筆だと詰まってしまうということもあるのです。

顔料インクは純正品のみ。と考えたほうがいいでしょう。

次に、染料インクに比べて色が非常に少ないです。

だいたい黒と青、他1,2色あるかどうかといったところでしょうか。

色を楽しむというインクではありません。

線の輪郭がくっきりしています

染料インクが紙に染み込んで繊維を染めることで色を出すのに対し、顔料インクは顔料という粒が紙の上に定着することで色を出します。

そのため、線のにじみが少なく、輪郭がくっきりはっきりしています。

また、染料のような透明感がありません。

染料インクの場合、黒は濃いグレーのような色合いになります。

顔料インクだと、黒は真っ黒、青は真っ青と言った風に濃淡のないべったりした色になります。

染料インクと顔料インクの違いをざっと書いてみました。

扱いやすいが、重要書類に向かない染料インクと、

扱いにくいが、重要書類にも使える顔料インク

どちらも一長一短ありますので、用途に応じて使い分けるのがいいかと思います。

繰り返しますが、くれぐれも顔料インクは長期間入れっぱなしにしないでください。

さて、最初に出てきたブルーブラックってどんなインクでしょうか?

次に続きます。