やってはいけないこと
単純そうに見えて、実はとても繊細に作られている万年筆。
使っていく上で、いくつか注意しなければならないことがあります。
- 落とさない、叩かない、投げない
- ペン先を無理に広げない
- 振らない
- キャップを外したまま放置しない
- 収納は、ペン先を上に
- ペン先を磨きすぎない
要は、「丁寧に扱う」ということに尽きるのですが、日頃ついやってしまう事もあるかもしれません。
落とさない、投げない、叩かない
これは要注意です。
要は「衝撃を与えない」という事です。
特に筆記時に落とすと、ペン先が簡単に曲がってしまいます。
書いている紙の上にポトリと落とすくらいならまだしも、床の上にカーンと落としてしまうと危険です。
キャップを尻軸につけないで書く方は、ちょっとペンを置いたすきに転がって落下、という事も。
そういう場合は、ペントレーに置くようにすると転がらずに安心です。
ペン先を無理に広げない
ペン先は万年筆の要の部分です。
紙に押しつけるなどして、ペン先を広げないようにしましょう。
ペン先のスリットは、広すぎても狭すぎてもいけないという繊細な部分です。
振らない
前回使ってから、数日間をおいて書こうとすると、インクの出が悪いことがあります。
そういう時でも、早くインクを出そうと振らないでください。
突然インクが飛び散って余計に手間がかかってしまう事も。
インクの出が悪い時は、ペン先の先端をちょっと水かぬるま湯につけてみると出やすくなります。
インクが出てきたら、水で薄くなっていますので、柔らかい布に軽く押し当てて、インクを吸い取るようにするともと通りになります。
キャップを外したまま放置しない
ちょっと机の上に置いたつもりが、すっかり忘れて放置。
気付いた時にはインクが出ないことも。
慌ててペンを振ったら、インクが飛び散って大惨事に!
ちょっと忘れて放置したくらいで完全に詰まってしまう事はそうそうありません。
どうしてもインクが出ないときは、前項の「振らない」で書いてあるように、ペン先を水かぬるま湯につけてみてください。
収納は、ペン先を上に
ペン立てに万年筆を立てるときやポケットにさす時。
万年筆はペン先が上に向くように収納します。
ペン先を下にして保管すると、ペン先にインクがたまることがあります。
特に、ペンを胸ポケットにさしている場合は、振動でインクがペン先にたまりやすくなるので、ペン先を上に向けましょう。
ペン先を磨きすぎない
万年筆を使っていくうち、ペン先についたインクが気になる。
せっかくきれいなペン先がインクで汚れている。
ペン先のスリット付近はたとえ拭いても、あとからあとからインクが出てきてきりがありません。
きれいに拭きとろうとして、力を入れすぎるとペン先を曲げてしまいます。
私の場合、スリット部分の汚れは「使いこんでいる証」だと考えて、あまり神経質に磨かないようにしています。