ペン先と線の太さ
ボールペンやシャープペンに0.4ミリや0.5ミリといった太さがあるように、万年筆にもペン先の太さがあります。
万年筆の太さは、ペン先に刻印されたアルファベットで区別できます。
線の細い方から、
- EF:極細字
- F:細字
- M:中字
- B:太字
- BB:極太字
というのが一般的です。
メーカーによってはこれ以外の設定もあります。
国内メーカーはさらに種類が多く、たとえばパイロット社でしたら、
FM:中細字(FとMの間)
というペン先があったりします。
万年筆ごとにペン先の種類が決まっていますので、ご購入の際は忘れずに確認してください。
なお、ペン先のことを「ニブ」と呼びます。
- 太さがFのペン先 → Fニブ
- 太さがMのペン先 → Mニブ
- 太さがBBのペン先 → BBニブ
といった具合です。
メーカーごとに違う
同じ種類(例えばF)のペン先でも、メーカーによって微妙に太さが違います。
特に、海外メーカーは全体的に太めで、国内メーカーの万年筆と比べて1サイズ上の太さになります。
例えば、海外メーカーのFは、国内メーカーのMくらいの太さになる傾向があります。
ペン先によってどのくらい線の太さが変わるのか、私が持っている万年筆で実際に比べてみました。
一番下の2つは比較対象のボールペン・サラサクリップです。
パイロット プレラのM、パイロット ヘリテイジ91のMは同じ太さですが、
ラミー アルスター Fも同じくらいの太さになっています。
ただし、万年筆は使いこんでいくにしたがって線の太さは微妙に変わります。
上の写真だと、カスタム74は7年以上使っていますが、プレラは2年ほどです。
さらに調整でも変わります。
ここに示した万年筆は、調整を受けたものもあれば、受けてないものもあります。
この写真は、あくまで参考程度にお考えください。
パイロット カスタム823 Bが明らかに太いですね。
この太さになると、
6ミリなどの細い罫線のノートでは使いづらいかもしれません。
どれを選べばいいの?
では、どれを選べばいいんでしょう?
私の考えですが、ひっかかりを少なくすることだけを考えるならM以上の太さが良いと思います。
しかし、線が太すぎて使いにくくては意味がありません。
では、使う用途から考えてみます。
- 罫線のついたノート:6ミリ罫 → 海外EFか国内F(細字)
- 罫線のついたノート:7ミリ罫以上 → 海外Fか国内FM(中細字)・M(中字)
- 無地のノートに自由に書く → どれでもOK
- 手帳に使う → 海外EFか国内F(細字)
という感じです。あくまで参考程度にお考えください。
また、宅急便の伝票など、2枚以上に複写するようになっている用紙は強い筆圧が必要ですので万年筆では書かないでください。ペン先を痛めてしまいます。
ちなみに、昔は複写伝票に使えるような特殊なペン先の万年筆もあったのだとか…