最初に用意するもの
初めて万年筆を使うにあたって、最低限揃えなくてはならないものがあります。
万年筆
まずはこれがなくては始まりません。
左利きの場合は、どれでも好きに選べるとは限らないので注意が必要です。
どれを選べばいいかわからないという方は、左利き用万年筆や、私の使う万年筆を参考にしていただければと思います。
もしあなたが左利きで、さらに万年筆を初めて使うのなら、最初はペン先が鉄の比較的低価格なペンがおススメです。
なぜかというと、ボールペンと異なり、万年筆は筆圧をあまりかけずに使います。
筆圧をかけすぎると、ペン先が大きく開いてインクが出すぎたり、逆にインク切れを起こしたりしてしまうのです。
鉄ペンは金ペンに比べてペン先が硬いので、多少筆圧が高くてもペン先がたわまず、シッカリと支えてくれます。ボールペンに近い感覚で使うことができます。
ちなみに、ペン先が鉄(ステンレスなど)の万年筆を通称「鉄ペン」、ペン先が18金や21金などの「金」でできている万年筆を通称「金ペン」と呼びます。
力を抜いて書くことに慣れてから、ペン先が金の万年筆に進むと使いやすいです。
インク
字を書くには、万年筆にインクをいれなければなりません。
このインクにはカートリッジインクとボトルインクとがあります。
使う万年筆に合わせてどちらかを選んでください。
カートリッジインクはあらかじめインクが封入されていて、万年筆に差し込むだけで使えます。
カートリッジを万年筆本体に差し込むだけですので、手も汚れません。
気軽に扱えますが、少々割高になります。
セットしたら途中で抜き取らずに使い切ってください。
途中で抜き取ると、残ったインクがあふれてしまい、後始末が面倒です。
カートリッジインクは、基本的に万年筆本体と同じメーカーの物を使用します。
海外の万年筆だと、違うメーカーでもカートリッジは共通というタイプもありますが、ややこしくなるので、慣れるまでは万年筆と同じメーカーのカートリッジを使うことをおすすめします。
ボトルインクは、大きなビン(ガラス製など)にインクが入っています。
これを吸引式の万年筆、またはコンバーターを装着した万年筆を使って、インクを吸い込んで使います。
こちらも、万年筆本体と同じメーカー製を使うのが基本です。
別メーカーのインクを使うのは、自己責任という形になります。
コンバーター
カートリッジ・コンバーター両対応の万年筆に使います。
これをカートリッジの代わりに万年筆にセットすると、インクを吸引できるようになります。
万年筆本体と同じメーカーの物を使います。
しかし、同じメーカーでも複数の種類があります。
何でも使えるわけではありません。
例えば、パイロット製の万年筆の場合、コンバーターが3種類あります。
万年筆ごとにどのコンバーターが使えるか決まっていますので注意が必要です。
用紙
実際に書くための紙です。
実は、これも何でもいいというわけではありません。
通常シャープペンなどで使うノートやルーズリーフには、万年筆のインクと相性の良くない物があります。
インクがきれいに吸収されずにジワっとにじんだ線になったり、インクが吸収されにくくて乾きが遅かったり、紙が薄くて裏側ににじんだりする事があります。
万年筆用に作られているノート等もありますが、普通のノートと比べて、少々高価です。
私が使っているのは、オキナ株式会社の「プロジェクトペーパー 無地」という用紙です。
レポート用紙のように上側でとじる形式で、A4サイズ100枚つづりで500円ほどです。
万年筆のインクもにじまず裏写りも少ないので、両面も何とか使えます。
お店によっては、製図用品のコーナーにあるかもしれません。
最低限以上の物があれば、万年筆は使えます。
他にも、あれば便利という物もありますが、必要に応じて揃えていただければと思います。